アパレルにおける業績変動

アパレルは業績変動の激しい業界だと言われています。
収益力の高い会社がわずか1年で大赤字になることがあります。

トレンドや流行という要因があるため業績が変動しやすいと業種だと言われています。
しかし私が見てきたところでは、アパレル会社の組織や管理体制の脆弱性が業績変動を激しいものにしていると考えています。
それでは何故アパレル会社の組織や管理体制は脆弱になりやすいのでしょうか。それは2つの業種特性にあると考えています。

1.アパレル会社はヒットブランドがあると短期間で急激に売上と事業期が拡大します。そうすると事業規模にみあう組織や管理体制が作れないまま成長を余儀なくされます。
2.業界特性としてデザイナー、パタンナー、生産管理などの専門職中心の組織構造となります。異動やジョブローテションもあまりありません。全体視点で物事を考えられる組織や管理者が育ちにくい環境にあります。

これらの要因により生じる問題は売れている時には表面化しません。
しかし売れなくなった時にこれらの脆弱性が一気に表面化してきます。

業務の至るところで問題が生じ社内のオペレーションが崩れ、組織的機能不全に陥ります。そして内部から一気に崩れるという構図です。
これが業績変動の激しい業種と言われる要因になっていると考えています。
貴社では売れている時期から強い組織、管理体制を構築していますか。

コンサルタント 有馬 慎一郎